経営成果を変える「戦略への集中」―中小企業が勝つためのランチェスター戦略

経営成果を変えるのは「戦術」ではなく「戦略への集中」

戦略への集中

経営者が集中すべき領域を見極める

今回のオンライン社長塾では、経営計画を整理する二次元フレームワークをもとに、戦略と戦術の違い、経営要因ごとの重要度、そしてランチェスター戦略の基本について学びました。
中心となったテーマは、経営者が限られた時間と資源を「どこに集中すべきか」です。日々の経営では、会計ソフト、賃金制度、業務効率化、AI活用など、改善したくなるテーマが数多くあります。しかし、それらをすべて同じ重要度で扱ってしまうと、本当に成果につながる領域に力を注げなくなります。

講義では、経営全体において大きな成果を左右するのは、日々の作業や仕組みといった戦術よりも、商品、地域、客層、営業、顧客づくりなどの戦略であることを確認しました。たとえば、会計ソフトの選択や複雑な賃金制度の設計は、もちろん必要な業務です。

しかし、経営全体への影響度で見ると、そこに過剰な時間をかけるよりも、どの商品で戦うのか、どの顧客に絞るのか、どの営業方法を強化するのかを考える方が、成果に直結しやすくなります。AI活用についても同様です。単なる事務作業の自動化にとどまらず、顧客データベースの整備、見込み客へのアプローチ、商品戦略の見直しなど、売上や顧客づくりに関わる領域で活用することが重要だと整理されました。

中小企業が勝つためのランチェスター戦略

後半では、ランチェスター戦略の基本も学びました。中小企業が大企業と同じ土俵で正面から戦っても、資金力、人員、知名度の差から不利になりやすいものです。だからこそ、弱者の戦略では「どこで戦うか」が重要になります。

広い市場で総力戦をするのではなく、狭い地域、特定の客層、限定された商品分野など、自社が強みを発揮できる場所を選ぶ。大企業が入りにくい市場や、細かな対応が求められる分野に力を集中する。

これが、中小企業が勝ち筋をつくるための基本的な考え方です。

営業活動を重要戦略として位置づける

また、営業活動においては、面会件数や接触回数の重要性も確認しました。良い商品やサービスを持っていても、顧客との接点が少なければ売上にはつながりません。営業を個人任せにせず、会社全体の重要戦略として位置づけることが大切です。

今回の講義を通じて、社長が見るべきものは、細かな制度やツールそのものではなく、それが経営全体にどれほど影響するのかという「重み」であることが明確になりました。経営資源は限られています。だからこそ、社長には成果に大きく関わる部分を見極め、そこに時間、人、お金を集中させる判断が求められます。
社長塾では、こうした経営の原理原則を、実際の事例や参加者同士の対話を通じて学んでいきます。日々の忙しさの中で立ち止まり、自社の戦略を見直す時間を持つことは、経営者にとって大きな価値があります。

次回も引き続き、ランチェスター戦略を学びながら、中小企業が勝つための具体的な考え方を深めていきます。

※本レポートは、「ランチェスター法則による戦略☆名人」の第2章『実行手順とウエイト付け』および第3章『ランチェスター戦略』前半の内容を中心にまとめたものです。

この記事を監修した人

経営に本当に必要なものが、ここにある

公認会計士 足立 知弘

1973年4月生まれ、熊本市出身。私立真和高校、静岡大学人文学部法学科卒業。 お菓子屋の長男として生まれ、1997年に公認会計士二次試験に合格。

監査法人での監査業務、税理士法人での税務業務を経て、いちご会計事務所を設立。 現在は法人を中心に100社以上の税務顧問を担当し、相続税や財務デューデリジェンス等の業務にも対応している。

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