ライト、ついてますかー問題発見の人間学【書籍紹介】

仕事柄、お客のお困りごとや悩みの解決について、相談をうけます。
しかし、お客からの相談を聞いていると、実はお客は問題を正確に把握できていないということもあるのです。
そして、そもそも問題と言っているものは問題であるのか、その問題の設定は正しいのか、問題の解決とは答えをだすことだけなのか、いやいやその解決といったものも本当に正しいのか、ということもあるわけです。

学校では答えがある問題を解くことを教わります。だが社会には答えがある問題は少なく、さらには問題を発見する事のほうが解くよりずっとむずかしい場合がおおいのです。

この本は、副題にあるように,そのような問題発見と問題の解決についての、寓話集のようなエッセイ本です。
1987年に初版されましたが、30年近く読み継がれているロングセラー本です。

この本は訳がヘタなのか、かなり読みにくく、わかりにくいところもありますが、問題発見と解決についての知見を提供してくれる内容については、非常に参考になるものです。

特に文中にあった、

「正しい問題定義が得られたという確信は決して得られない。だがその確信を得ようとする努力は、決してやめてはいけない」

という文章は、心に残りました。

専門家としての仕事をしていると、どのように問題定義するかは重要なことです。
問題定義を間違えると、答え自体が間違った方向に出てしまうからです。

ただ、本当にその定義で正しかったのかといえば、無数にある設定係数のなかから、これがベストだと選び出したものですから、完璧であることについては確信を持てないのです。でもそれを追求しなければ、問題の本当の解決を見つける事はできないものです。

また、

「問題理解をおじゃんにする原因を、三つ考えられないうちは、君はまだ問題を把握していない」

という文章も、非常に良い示唆を与えてくれます。

問題解決は次の問題の出所となることが多いです。
そこで、現在の問題解決の理解を破綻させるものーうまく行かないであろう理由を3つ位は出しておかないと、先手を打った良い解決法にはならないのですね。

これもまた、問題を考える上で面白い視点です。

この本は、最初読んだときには訳文がヘタなのか、そもそも原文がわかりにくい文章なのかわかりませんが、ちょっと内容を消化するには手がかかります。
しかし、不思議なことに読んだ後に様々仕事をしていると、思い当たることがあり、「なるほど、こういうときの事をいっていたのか」と感じる内容の本です。

なので、問題解決の本としてロングセラーなのでしょうね。

経営者の皆さんは常に問題と向き合い、解決の意思決定をしていると思います。
そのときに、自分の認識している問題は何なのか、またその解決はそれでいいのかという事を考える事で、意思決定の質が上がってくると思います。

是非、一度読んでいただきたいと思います。